新しいLiveAgent Snap-ins チャット

  • Posted on
  • カテゴリ:

こんにちは、石川です。

Snap-ins チャットを皆さんは使ったことはありますか?
Winterにベータ版、Springにて正式リリース、Summerでは機能強化とNapiliのコミュニティテンプレートへ対応されました。
今回はそんなSnap-ins チャットに関して執筆致します。

まず初めに

Snap-insは顧客と企業の繋がりの強化する製品として発表されました。
サービスクラウドで提供されていたナレッジ・ケース管理・Live Agent・SOSが基になっており、
それぞれのインターフェース面が強化されたものと私は思っています。
そしてSnap-ins チャットはLive Agentが基になった機能となります。

設定してみよう

まずSnap-ins チャットの設定には以下の設定が必要です。

  • Snap-ins チャットを設定するために、Lightning Experience が有効になっている(LEX画面でのみ設定可能で利用はClassicでも可)
  • Service Cloud ライセンス
  • Live Agent ライセンス
  • 組織で Live Agent が有効になっている
  • 組織で Live Agent チャットボタンと Live Agent リリースが設定済みで、使用可能である
  • 組織で Salesforce コミュニティ (推奨) または Force.com サイトが設定済みで、ゲストユーザのアクセスが可能である

※今回はSnap-ins チャットの記事なのでコンソール、LiveAgent、コミュニティの設定はヘルプなどを参考にしてください。

1.設定画面>機能設定>スナップインと遷移し、新規リリースボタンを押下してください。

2017-06-13_103245.png

2.項目を入力して作成ボタンを押下します。

2017-06-13_103340.pngスナップインリリース名:任意
API参照名:任意
サイトエンドポイント:現在設定してあるコミュニティ or Site
※コミュニティかSiteの設定が必要な点はLiveAgentとは異なる点です。

3.Live Agent の基本設定の設定をします。

2017-06-13_183020.pngLive Agent リリース:LiveAgentのリリース設定
Live Agent ボタン:LiveAgentのボタン設定

4.事前チャットページの設定し、次へを押下します。

2017-06-13_185544.png

セールスのシナリオ、サービスのシナリオ、基本シナリオの3つがありますが
今回は取引先責任者とケースを作成するサービスのシナリオを選択します。
作成するレコードにレコードタイプの指定がある場合は画面下部で選択してください。

2017-06-13_185559.png

次の画面でオブジェクトごとに事前ページに必要な項目を設定します。

2017-06-13_185847.png

項目の追加は+ボタンから行えます。
もうSnap-insチャットの基本設定は完了です。

ちなみにNapiliのコミュニティテンプレートを利用しているとSnap-ins チャットのコンポーネントが追加されています。
コミュニティビルダーで以下のようにこのコンポーネントを追加するとユーザに見せるところまでも完了です。(こっちも簡単!)

1.コミュニティビルダーにて対象画面にSnap-ins チャットのコンポーネントをドラッグアンドドロップ

2017-06-13_194014.png

2.設置したコンポーネントの設定で作成したSnap-insチャットを選択し、チャットボタンを表示にチェックをつけます。

2017-06-13_194550.png

動き

以下簡単な動きのキャプチャです。チャットの動きはLiveAgentと変わりません。

1.設置したコミュニティの右下に開始ボタンが表示されている

2017-06-13_210348.png

2.ボタンをクリックするとユーザは事前チャットページ画面に遷移します、
自分の情報をいれてチャットを開始します。

2017-06-13_211512.png3.開始するとエージェントとチャットのやり取りが出来ます。

2017-06-13_211911.png

4.チャットウィンドウを開いたままで画面遷移も可能です。(フォームから検索して記事のページに移動しました)

2017-06-13_211927.png

LiveAgentとの比較

LiveAgentの画面を実装したことがある方はコーディング無しで設定できることに驚いたのでは無いでしょうか?
LiveAgentの標準設定では設定完了時にコピペするソースが提供されて対象のHTML,VFページへの反映が必要でした。
またそのソースを反映するだけでは以下の機能しかありませんでした。

  • ボタンが画面に表示される
  • Liveチャットが出来る

特に事前チャットページの設定は
javascriptとLive Agent 開発者ガイド中の第五章(事前チャット機能で一章分あります)を理解する必要がありました。
その点、Snap-ins チャットでは設定手順4.だけでコーディングが不要になっています。

また画面遷移しても右下にチャットウィンドウを開き続けることが可能となり
ユーザはエージェントの指示に従って親画面を動かすことが出来ます。

今回はNapiliテンプレートのコミュニティでの利用をお見せしましたが、
LiveAgentと同様に提供されるコードを利用してWEBページにチャット開始ボタンを設置することも可能です。

コーディングによる細かい動作のカスタマイズ性はLiveAgentに分がありますが、
基本的な動作に関してはSnap-ins チャットで満たせるのではと思います。

おわりに

LEXの時代になりリッチな機能・UIを簡単な設定から実装可能になっております。
「Snap-ins」という括りでServiceCloudの機能がより一層便利になっていくのは楽しみですね。