Dreamforce2015 Day3: Analytics Cloud



Dreamforce初参加の石津です。

ここサンフランシスコでは、日々日本との文化の違い(特に食と街の衛生面)に格闘しながらも
世界最大のITカンファレンスと言われているこのイベントを楽しんでおります。

3日目DreamforceのはSalesforceの各プロダクトにおけるKeynoteが朝9時から夕方まで
合計9本も立て続けに用意されているKeyNoteづくしの1日でした。
Keynoteは同時に2つ実施されていたりするので、全てに参加することはできないのですが、
先日、次世代の「Analytics Cloud」として発表された当プロダクトについて何か新しい情報を
得ることが出来ないかと思い、Analytics Cloud Keynoteに参加したので
その内容をお届けします。

はじめに

「Analytics Cloud」自体は昨年のDreamforceで発表されたデータ分析のサービスであり、
昨年の参加者たちに強烈なインパクトを与えた目玉機能のひとつです。
Dreamforce2015でもAnalytics関連ブースはDeveloperZoneをはじめ、CloudExpo内でも
比較的大きなスペースが確保されていて、会場をまわっているとAnalyticsへの力の入れ様が
自然と伝わってくるような感じがしました。



今回はどんな情報が新たに公開されるのか楽しみです。

Analytics Cloud Keynote

はじめは昨年の発表からこの1年間で開発されたWaveの機能について、
簡単な説明がありました。
この1年間でWave関連では6つの機能をリリースした様です。
そして「The Next Wave of Analytics」として、いよいよ今年の本題について
3つのワードに分けて発表が行われました。

Sell Smarter


まだ現時点ではパイロット版とのことですが、Sales Waveという名称で紹介されていました。
Keynoteでは詳細な機能説明までは無かったので正確な表現ではないかもしれませんが、
「Sales Cloud」の機能にWaveダッシュボードを統合したもので、Sales Waveから得られる分析結果を
営業活動における次のアクションに変えることで、営業責任者や営業チームのパフォーマンスを
高めることを目的としたサービスだと思われます。
Salesforceのデータに限らず、外部データもアップロードすることで様々なデータから
営業活動や経営的判断をおこなうために必要なあらゆる情報を
Waveのグラフィックで
グラフやチャート形式でダッシュボードに表示することが出来ます。

発表中のデモでダッシュボード画面を操作していましたが、
顧客別・地域別・製品別・年齢別・営業別の売上集計値の気になる部分をクリックまたはタップすることで、
グラフの表示形式を切り替えたり、ドリルダウンして自分が見たい情報に絞り込んで
表示させることが非常に簡単に出来ていました。
コンピュータ操作に不慣れなユーザ(経営層など)でも直感的にデータを操ることが
出来るのではないかなと感じるほどの操作性でした。

これだけ操作性が良いと、何となく分析結果をあらゆる切り口でいじり倒したくなるだろうなと
思える程の快適さでした。
その結果として今まで以上に集計情報を構成している個々のデータを目にする機会が増え、
集計情報が意味する状況をより理解することにつながると思います。

事例紹介の中でも言っていましたが、以前は数10枚に渡る紙のレポートに毎日目を通していたが、
Analytics Cloudに置き換えることによって数種類程度の動的ダッシュボードページが
その代りを果たせるようになったとの例が挙げられておりました。
確かにこの操作性と動作速度で表示されるのであれば、Analytics Cloudのグラフやチャートを
ドリルダウンして、ユーザが確認したい情報をその場で詳細の確認をおこなうことも可能です。
また、集計結果に関連している担当者に直接確認したいことがある場合には、
該当画面のスナップショットを添付して、直接メッセージを送ることもできます。
Analytics Cloudの機能を使いこなすことが出来るのであれば、
様々なアクションをより迅速に、かつ効率的に実行することが可能になるかもしれません。
またSales Waveでは、データアナリストの様な専門家の報告を待つまでもなく、
営業チームの過去実績から分析することで、トレンド情報を表示することが可能です。

Go Faster



PCからアクセスした際の画面レイアウトの他にiPad、AppleWatchをはじめ様々なデバイスへの
対応が強化されている様です。
特に発表の中ではAnalytics Cloudの分析結果をあらゆるシーンで即時確認が可能であることと、
確認した内容に合わせて次のアクションをより迅速におこなえることの重要性が話されていました。
ここでの事例紹介ではAppleWatchを活用したAnalytics Cloudの活用例が紹介されていました。


Service Better



「Sales Cloud」と統合したSales Waveについては上記の通りですが、
同様に「Service Cloud」と統合したService Waveです。
こちらも現時点ではパイロット版の様です。
新しいService Cloudコンソール画面にService Waveというダッシュボードが
表示されることにより、グラフやチャートの情報から顧客やサービスに関するデータを
より迅速に取得することが可能な為、サービスレベルの向上につながるというお話でした。

おわりに

昨年に比べると事前に把握できている情報が多く、目新しさという意味では少々インパクトに
欠けていた感はありますが、「Sales Cloud」や「Service Cloud」をはじめとする
各種プロダクトと統合していく戦略が明確となり、今後はAnalytics Cloudがより身近なものに
なってくる様な気がしました。
Analytics Cloudを代表とするように、今後はSalesforce内または外部システムに蓄積されたデータを
簡単な方法で抽出し、分析するための環境がますます整ってくることが予想されます。
ただし、この新しい武器を手に入れた時、果たして効果を十分に発揮できるような
正しい分析結果の抽出やダッシュボードの作成をおこなうことは出来るでしょうか。

集計が可能な項目を単純に並べただけの指標では、見た人が正しい意思決定や
次のアクションを起こすための判断が出来るとは限りません。
ビジネスユーザが自ら考え、情報を分析し、その分析結果をもとにいかに正しいアクションを
起こすことが出来るかが、ビジネスを成長させるための重要な鍵となることは間違いないと思います。
まずはビジネスにおけるゴール(目的)とそれを達成するための手段を明確にし、
正しく指標を設定することが出来れば、きっとAnalytics Cloudを使いこなすことが出来ることでしょう。

以上でAnalytics Cloud Keynoteのレポートは終了です。