Dreamforce2014 レポート1日目 ? 『Getting to Know Visual Workflow』

みなさんこんにちは。 只今サンフランシスコで開催中の Dreamforce 2014 のレポートを現地よりお届けいたします。

今年は、多数の技術メンバーが参加していることもあり、様々なトピックが配信される予定です。

会場の様子

会場の様子

今年は、マーク・ベニオフ氏による基調講演が2日目となっていますが、初日となる本日も興味深い発表がいくつかありました。

その中でも特に注目されていたのが「salesforce1 Lightning」でした。

Lightning Components Developer Guide

Lightning Components Developer Guide

Salesforce1 Lightningについては、当社Salesforce MVPの吉川より報告させていただく予定です。

さて、ここから本題に入りますが、今回私が選んだテーマは、『Visual Workflow』です。 この機能は今回発表された新機能ではなく、Winter '12にはベータ版として既にリリースされています。 しかし未だに認知度が低く、そもそも、どのような機能で、何ができてどんなメリットがあるのかなど、まだまだ理解されていないことが多い機能のひとつです。

そこで今回は、Visual Workflowの概要や利用方法について、ご紹介いたします。

1.Visual Workflowとは

ビジネスプロセスを自動化する機能ということになります。 つまり、ユーザのアクションに基づき、次に実行すべきアクションを自動的に行うための機能を定義することができます。

例)

・ウィザード形式画面の場合:ユーザが画面で選択した値に基づき、次に表示する画面の遷移先を変更する。

・自動計算:商談で追加された複数の商談商品の合計金額や粗利等の計算をリアルタイムで実施

・アクションの自動化:商談登録時に金額が100万を上回っている場合に、上長へメール通知する

・後続データの生成:保存した商談データを利用して、注文や見積データを生成する

※ビジネスプロセスの自動化については、実際には、ワークフロールールで実現できることもいくつかありますが、その違いについては、後述します。

2.Visual Workflowで何ができるか

Visual Workflowを利用することにより、VisualforceやApex Triggerを書かなければ実現出来なかった、 以下のようなことが設定(ドラッグ&ドロップの操作)だけで実現可能となります。

・複数オブジェクトに跨る画面を作成することができる。 ※ただし画面のレイアウトについては、シンプルなもので(1列)しか作成できません。

・ウィザード形式の画面を作成することができる。

・画面の入力内容などにより条件分岐するプロセスを定義することが可能。(多段階)

・オブジェクトのデータを操作することが可能(CRUD)

・ドキュメントの生成

・ビジネスロジックや計算処理

・メール送信 ・Apexトリガーの実行

3.ワークフロールールとの違い

Visual Workflowとビジネスプロセスの自動化

■ワークフロールール

・レコードの新規登録や更新をトリガーとして起動する。

・選択可能なアクションは以下4つのみ TODOの作成、メールアラート、項目自動更新、アウトバウンドメッセージ

・実行されるアクションは常にバックグランドで処理される。

■Visual Workflow

・ユーザのアクション(リンクやボタンクリックなど)をトリガーとして起動する。

・画面の生成や遷移、データ操作(CRUD)、ドキュメント生成、ビジネスロジックの実行、 計算の実行、メール送信、Apexトリガー実行など様々なアクションをリアルタイムで実行できる。※VisualforceからFlowアプリケーションを実行することも可能

4.Visual Workflowの利点について

これまで述べてきたとおり、Visual Workflowを利用することで、これまで開発が必要だった機能の一部を設定だけで実現することが可能となったことが最大の利点だと考えています。ApexやVisualforceによる開発が削減されるということは、開発の工数削減、品質向上、顧客のROI向上などに繋がります。

セールスフォースの導入案件では、要件定義フェーズなど上流工程の早い段階からプロトタイプを作成し進めるケースが多いと思われますが、そういう場合にも、Visual workflowを利用することにより、通常開発が必要な部分を上流フェーズで作成し、お客様とイメージの共有をすることができます。「実際に開発して作ってみたら違うものが出てきた」というエンドユーザ様のお話を耳にすることがありますが、そういったことを無くすためにも是非利用してみてはいかがでしょうか。

また、AppExchangeなどのパッケージを利用する際も、パッケージのGap部分を解消するためにViaualforceやApexの追加の開発を行うのではなく、Visual Workflowを利用することで開発を削減することができます。

最後に

Dreamforce2014ではVisual Workflowについて、いくつかのセッションが用意されており、強化された点など説明されています。 今回ご説明できなかった機能やFlowの設定方法など、さらにご理解を深めたい方は、Flowのworkbookを参照ください。

■Flow workbook(英語版)

http://www.salesforce.com/us/developer/docs/workbook_flow/workbook_flow.pdf

■AppExchange Visual Workflow Getting Start Pack