北電情報システムサービス株式会社様イメージ

北電情報システムサービス株式会社様

北電情報システムサービスがソアスクとSalesforce Service Cloudにより顧客基盤を統合─月間数十時間の工数を削減し、データ活用を推進

  • Service Cloud
  • ソアスク
  • IT・コンサルティング
  • 100名-500名
  • 顧客管理
  • コンタクトセンター
  • 社内情報の一元管理

概要

北電情報システムサービス株式会社は、北陸電力グループにおける情報戦略の中核を担う企業である。近年は、グループのみならず、民間企業や自治体などに対して多彩なITソリューションを提供している。同社では、顧客に提供しているサービスを管理するにあたり、自社システムの老朽化やブラックボックス化、表計算ソフトを使った手作業の発生に悩まされていた。そこで取り組んだのが、システム基盤の刷新とクラウドプラットフォームへの統合だ。こうした背景から、販売管理システム「ソアスク」とSalesforce Service Cloudの導入によってSalesforceプラットフォームへ基盤を統合し、工数削減やデータの活用を進めている。

システム基盤のブラックボックス化や手作業により、業務効率が著しく低下

北電情報システムサービスのITサービス部では、ひかりインターネット接続サービスの「FITWeb」、専用回線やバックアップ、BCP対策などの十数個のサービスメニューで構成されるクラウドサービス「FIT-Cloud」、高い安全性と信頼性を確保したデータセンターサービス「FIT-iDC」など、複数の事業を展開している。

FITWebは、1990年代から個人や法人向けに提供してきたサービスである。約3,000件の契約管理や請求管理、顧客情報管理などを行うシステム基盤をフルスクラッチで開発したが、老朽化が進んでいた。また、基盤を開発した担当者が退職したこともあり、ブラックボックス化し、システム基盤の改修を進めることができないという課題があった。

北電情報システムサービス株式会社
ITサービス部 IT技術グループ サービス運営チーム統括 清都卓也氏

北電情報システムサービス株式会社
ITサービス部 IT技術グループ
サービス運営チーム統括
清都卓也氏

2011年から法人向けに提供してきたFIT-Cloudも同様に、契約管理を行ううえで課題を抱えていた。ITサービス部 IT技術グループ サービス運営チーム統括 清都卓也氏は、次のように話す。

「FIT-Cloudは、約300件のお客さまの契約があり、それぞれのお客さまがどのメニューを利用しているかを表計算ソフトに入力して料金を計算していました。例えば、サーバリソースの拡張やディスク容量の追加といった契約内容の変更が生じると、その都度、表計算ソフトに値を入力し計算します。さらに、計算した結果を会計システムに手入力して請求書を発行する必要がありました。サービスメニューを拡充すると料金計算が複雑化していきますし、将来を見据えるとシステム移行は避けられない状況でした」(清都氏)
さらに、FITWebとFIT-Cloud で利用していたコールセンターのシステムも見直しを迫られていた。2000年代からグループウェア製品を利用して問い合わせ内容を管理していたが、今後はグループウェア製品を利用しないという社内の方針が決まったため、新たなシステムに移行する必要があった。

ソアスクとService Cloudを使ったSalesforceプラットフォームへの統合を決定

北電情報システムサービス株式会社 ITサービス部 IT技術グループ サービス運営チーム副統括 中山敏春氏

北電情報システムサービス株式会社
ITサービス部 IT技術グループ
サービス運営チーム副統括
中山敏春氏

これらの課題を解消するために取り組んだのがFITWeb、FIT-Cloud、コールセンターという3つのシステム基盤の統合である。ITサービス部 IT技術グループ サービス運営チーム副統括 中山敏春氏は、次のように振り返る。

「FITWebのサーバーハードウェアがリプレースを迎えるタイミングで、FIT-Cloudとコールセンターを合わせて1つのシステムに統合する計画を立てました。その際に重視したのが、クラウドを利用したプラットフォームであること、グローバルスタンダードな手法を利用できること、必要に応じてきめ細かい設定や変更ができること、可能な限り内製でシステムを作ることができることなどです。その要件で3社のSFAやノーコード製品を検討し、最終的に採用したのがSalesforceでした」(中山氏)
システム基盤の統合についてセールスフォース・ジャパン社に相談したところ、2社のベンダーを紹介された。そのうちの1社がテラスカイであったが、同社はテラスカイがSalesforceに関する知見や技術力を有することを知っていたため、テラスカイに提案を依頼することにした。テラスカイからは、サブスクリプションの販売管理ができるサービス「ソアスク」とカスタマーサービスプラットフォーム「Salesforce Service Cloud」を組み合わせたプランを提案されたという。

「テラスカイからの提案で特に高く評価したのが、ソアスクを利用することで営業支援から販売管理、顧客管理、契約管理、請求書管理までをSalesforceプラットフォーム上で完結できる点です。また、以前は締め処理後でなければ請求金額が分からなかったのですが、ソアスクの場合は請求書を締める前に請求金額を事前に確認できるといった機能があることもポイントでした。さらに、基盤となっているSalesforceプラットフォームは強固なセキュリティを誇り、全世界で利用されている点も安心でした」(中山氏)

ITサービス部 IT技術グループ サービス運営チームで、コールシステムを中心にエンドユーザーサポートを主に担当する土合あけみ氏は、使い勝手の良さについてこう話す。

「実際にソアスクの画面を操作してみて、わかりやすく使いやすいことが魅力的でした。コールセンターで使用されるService Cloudも見やすいつくりになっていて、スムーズに利用を開始できると感じました」(土合氏)

テラスカイの手厚いサポートもあり、1年でシステム基盤を統合

プラットフォーム刷新プロジェクトは2024年4月からスタートし、2024年9月にはFIT-Cloudで行っていた表計算ソフト処理をソアスクでできるようリプレースした。さらに、2025年3月にはFITWebの課金システム処理をソアスクで、コールセンターの問い合わせ管理をService Cloudでできるようにリプレースし、プロジェクト開始1年で3つのシステムが1つのプラットフォームに統合された。

プロジェクトは、テラスカイのサポートのもと進められた。特に、データクレンジングと会計システムとの連携については、テラスカイのサポートが大いに役立ったという。

データのクレンジングについては、FIT-CloudとFITWebからさまざまなデータを新システムに移行する際に、テラスカイがデータを適切にインポートするためのひな形となるテンプレートシートを作成した。名寄せやデータ項目の整理、データ加工など多くの作業が発生したが、ひな形に沿ってデータ整形を工夫したという。特にFITWebのデータは、旧システムのデータベースのテーブル数が50を超え、それぞれのレコード数は3,000件規模となっていたが、数ヵ月以上かかると予想された作業を1ヵ月程度で終わらせることができた。

会計システムとの連携においては、テラスカイが開発したプログラムが効果的であったと中山氏は振り返る。

「会計システムにデータ入力する際には、勘定科目や費目、品目などを考慮して取引先ごとに合算する必要があります。また、請求書を発行する際には、契約内容や消費税、割引率などを考慮しないといけないため、計算は非常に複雑になり、どうしようか悩んでいました。そんなときにテラスカイの担当の方がソアスクのデータを会計システムに取り込めるようにプログラムを開発してくれました。当初の想定より複雑な仕様になったため開発はかなり大変だったと思いますが、このプログラムのおかげで効率的に連携できるようになり、とても助かっています」(中山氏)

北電情報システムサービス株式会社 ITサービス部 IT技術グループ サービス運営チーム 土合あけみ氏

北電情報システムサービス株式会社
ITサービス部 IT技術グループ
サービス運営チーム
土合あけみ氏

また、土合氏は、帳票出力の際の細かな調整にも対応してもらったことを高く評価する。

「お客さまへの郵送物に窓付き封筒を使っていますが、窓付き封筒に帳票を封入した際に宛名が見えなくなることがあります。テラスカイは、封筒に入れても宛名が見えるよう宛名の表示位置を細かく調整してくれたり、請求書に印字された弊社のロゴに文字が重ならないようにするなど、細かな対応をしてくれました。一般的なクラウドサービスでは、帳票印刷などのカスタマイズはできないことが多いと聞きますが、テラスカイは丁寧に対応していただけたので、大変助かりました」(土合氏)

大幅な工数削減を実現、さらにはデータの活用・可視化を促進

システム基盤の統合により、工数削減、データ活用、契約状況の可視化という3つの効果が表れた。

工数の削減については、ソアスクの導入で、FIT-Cloudにおける表計算ソフト処理の工数がすべて不要になった。これまでは、表計算ソフトでの作業に月数十時間を費やしていたという。

データの活用については、これまではデータ活用のための専用データベースやレポートシステムが存在していたものの、繁忙期などに必要なデータをスピーディーに入手できず活用し切れていないという課題があった。Salesforceプラットフォームに移行したことで、標準で提供されるレポート機能を使って、月報やサービス別売上などのデータを作成・活用できるようになった。今後は、Service Cloudに蓄積されるデータにより、「どんなカテゴリの問い合わせが多いか」「どんな問い合わせに対して応答時間がかかっているか」といった、コールセンターのデータ活用も視野に入れている。

契約状況の可視化については、以前はある顧客がFIT-CloudとFITWebの双方を契約している場合、契約内容をすぐに把握することはできなかった。現在は顧客情報が一元化されたことで、契約内容が一目で分かるため、営業から契約情報について問い合わせが入った場合に迅速に回答ができるようになったという。

「自ら考え、動く」文化を醸成し、今後は内製化やクラウドの活用に取り組む

Salesforceプラットフォームに刷新したことによって、内製文化の醸成が進んでいるという。

「Salesforceを導入した最大の効果は、自分で考えて自分で動くことができる基盤を作ったことです。もともと当社は、お客さまのことを優先し、自分たちでできることは自分たちでやってみようという文化です。システムが古くなったり、複雑化したりすると、そうした文化を維持することが難しくなりますが、今後はSalesforceを活用して自分たちで業務アプリの内製開発などに取り組む検討を進めたいと考えています」(清都氏)

また、中山氏は、今後の展望について次のように語る。

「電力会社のようなインフラ産業では、BCPを最優先に自社システムを構築することが求められます。自社でバックアップサーバーを保有することもありますが、クラウドは事業継続性確保の観点からも非常に有効な選択肢となります。当社では、今後は電子取引による郵送コストの削減や、コールセンターでの生成AI活用などに取り組む予定ですが、これらの取り組みにおいてもクラウドが重要な役割を果たすでしょう。テラスカイにはクラウドの専業ベンダーとして、これからもサポートを期待しています」(中山氏)
集合写真

【本事例の導入製品・サービス】

ソアスク
CRMと連携可能な、サブスクリプションビジネス専門の「販売管理」ソリューションです。
Salesforce Service Cloud
「ケース管理」や「ナレッジ管理」といった機能があり、問い合わせ対応の効率化や自動化につながる顧客サポートに特化したアプリケーションです。

会社プロフィール

北電情報システムサービス株式会社様

北電情報システムサービス株式会社様

URL:
https://www.hiss.co.jp/
所在地:
富山県富山市桜橋通り3番1号(富山電気ビル2F)
事業概要:
システム開発やSAP導入・運用保守、データやAIを活用した業務効率化、クラウド移行、ICT基盤の構築などを、企画から導入、運用まで一貫して提供している。
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導入した製品・サービス

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