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ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社様

So-netがLINEによるカスタマーサポートを開始、ユーザーの利便性向上とオペレーターの負荷軽減を目指す

  • OMLINE
  • 通信・メディア
  • 500-5,000名
  • コンタクトセンター

導入背景

近年では電話やメール以外に、ソーシャルメディアを利用したカスタマーサポートが増えつつある。インターネットサービスプロバイダーとして国内有数の「So-net」でも、2017年12月より、顧客満足度向上を目指しコンタクトセンターのシステムを刷新。翌年9月にはそのシステムに「OMLINE-I」を追加し、ノンボイスによるカスタマーサポートの強化を図っている。
OMLINE-Iとは、LINEの法人向けカスタマーサポートサービス「LINEカスタマーコネクト」と、Salesforceのカスタマーサポートサービス「Service Cloud」を連携した、株式会社テラスカイ提供のコンタクトセンター向けソリューションだ。
今回は、So-netを運営するソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社に、OMLINE-I活用の理由や運用開始までの経緯などを聞いた。

幅広い年齢層のユーザーに、よりスムースなサポートを提供するために

カスタマーコミュニケーション部門 業務設計部 CRM課 兼 企画管理課 課長 佐野 将也 氏の写真

カスタマーコミュニケーション部門
業務設計部 CRM課 兼 企画管理課 課長
佐野 将也 氏

300万人を超える会員数を誇るSo-net。コンタクトセンターは現在全国に6拠点を展開し、月間約10万件のサポート対応にあたっている。以前から電話やメールの他にチャット用のシステムも導入していたが、運用面やシステム変更に対する柔軟性の低さを課題視していた。
同社 カスタマーコミュニケーション部門業務設計部 CRM課 兼 企画管理課 課長の佐野 将也氏は、システム刷新の理由を次のように説明する。
「コミュニケーションの多様性やビジネスの変化に伴い、カスタマーサポート部門は、今後は、変化対応力がこれまで以上に必要になってきます。ニーズが高いノンボイス対応など、顧客ニーズや変化に柔軟かつ迅速に対応していくために、カスタマイズ領域が広いパブリッククラウド型コンタクトセンターシステムへの切り替えが必要不可欠でした」
そこでまず、2017年にSalesforce が提供する「Service Cloud」に切り替え、続いてマルチチャネルヘルプデスク「Live Agent」を採用した。また、ユーザーの自己解決率を上げるためにAI チャットボットを機械学習の精度が高く、日々の運用もしやすい「BEDORE Conversation」に切り替えるなど、ノンボイス対応の強化を進めていった。
このプロジェクトの一環で進められたLINE導入について佐野氏は次のように語る。
「あるレポートで『10~20代は電話よりもLINEでのコミュニケーションを望んでいる』という結果もあり、導入を検討しました。検討を行う中で、LINE は若い世代だけではなく幅広い年齢層で利用されており、40~50 代が多いSo-netの顧客層も完全にカバーできると考えました」(佐野氏)

スタンプで、お客様との距離感を縮められるようなコミュニケーションを

カスタマーコミュニケーション部門 業務設計部 CRM課 チーフ石川 菜美子 氏の写真

カスタマーコミュニケーション部門
業務設計部 CRM課 チーフ
石川 菜美子 氏

LINEを利用した最適なソリューションを探すなかで、同社CRM課チーフの石川 菜美子氏はLINE PayがOMLINE-Iを採用していることを知った。LINEによるサポートとService Cloudとの連携を成功させたというこの事例は、まさにSo-netが求めていることを実現したものだった。
石川氏は、この事例で開発を手がけたテラスカイが、Salesforce 製品に豊富な実績を持っていることを知り、今後Service Cloud の活用を進めて行くにあたっても心強いと、オムニチャネル LINKとテラスカイを有力な候補として考えるようになったという。
「他にも、お問い合わせいただいた方に簡単にLINEスタンプが送れるというのも決めてのひとつです。LINEを利用したサポートでは、お客様との距離感を縮められるようなコミュニケーションを取りたいと思っていたので、サポートにあたるオペレーターが、ストレスなくスタンプを送信できるというのは、大きなポイントでした」(石川氏)

Service Cloud、LINE、Live Agentを連携させたSo-netのサポートシステム構成図

Service Cloud、LINE、Live Agentを連携させたSo-netのサポートシステム構成図


複雑化すると思われたシステム構築も、わずか3か月で円滑に完了

5月にテラスカイとのプロジェクトキックオフを終え、6~7月には要件定義に入ったが、「こちらから出した要件によっては、その場でカスタマイズしたデモまで見せてもらえることもあり、しっかりしたイメージを持って話ができました」と、石川氏は当時を振り返る。具体的な開発は約2ヶ月かけて行われ、9月には今回のサポートシステムが完成した。
このシステムの仕組みとしては、So-netのLINEアカウントを「友だち」登録したユーザーから、サポートを求めるメッセージが入ってくると、まず「BEDORE Conversation」が自動対応で解決を支援する。解決にいたらなかった場合には、コンタクトセンターに通知が届き、以降はオペレーターがチャットを引き継ぐようになっている。
「これまでは、AIチャットボットのシステムは独立していたため、満足する回答が得られなかった場合は、お客様ご自身に有人対応の窓口に問い合わせをしていただいていました。LINE の導入によって、AIチャットボットとオペレーターをシームレスにつなぐ仕組みが整いました」(石川氏)
オペレーターが見るOMLINE-Iの画面には、LINE互換のUIに加え、Service Cloudに登録されたユーザーの情報、ケース情報、サポートに必要なナレッジなどが表示されており、オペレーターはそれらを参考にしながら問題を解決に導いていく。なおサポートに関するあらゆる情報は、すでに導入済みのLive Agentとも共有できるようになっている。

サポートに必要な情報が網羅されたOMLINE-Iの画面

サポートに必要な情報が網羅されたOMLINE-Iの画面


満足度評価の透明性、顧客満足度向上を目指して機能を追加

今回、So-netの要望によって個別開発を行っている。そのひとつは、LINEでのサポートチャット終了後、「満足度アンケートページにつながるURL」をお客様に自動送信する機能だ。OMLINE-Iにもアンケートの送信・収集機能は標準搭載されているが、So-netがあえて独自のアンケートサイトへ誘導する機能を追加したという。
以前運用していたシステムでは、チャネルごとにアンケートを取得する仕様になっていたが、分析に手間がかかるだけでなく、各チャネルの評価軸が変わってしまいかねないという課題があった。新機能によって、すべてのチャネルのアンケートを同じサイトで収集できるようになり、チャネル別の満足度を公平に比較・分析することが可能となった。
また、営業時間外のサポート受付にも対応できるようにした。LINE導入以前も営業時間外のサポートにはチャットボットを利用していたが、そこで解決できなかった問題については、ユーザーに再度、営業時間内に問い合わせてもらう必要があった。現在は、チャットボットが「翌日にお答えします」というLINEメッセージをユーザーに送信し、同時にその情報をオペレーターのタスクリストとして記録する仕組みを追加した。翌朝出勤したオペレーターがそのチャットを継続することで、ユーザーが再度問い合わせる手間を省けるようにしたのだ。運用1か月間の傾向を見ても、半数が営業時間外の問い合わせだということで、ユーザーの利便性が確実に高まっていることがわかる。
さらに、オペレーターの業務を格段に効率化した追加開発がある。LINE IDとSo-netの顧客管理IDとの連携機能も追加し、問い合わせがあった時点で、そのユーザーを特定し、会員情報をOMLINE-Iの画面に表示させることができるようにした。ユーザーの会員情報を、「サポートメールやチャットのやり取りの中で取得するのは時間がかかる」というオペレーターの声に応えた機能だという。今回のシステムでは、LINE上に用意されたセキュアな通信画面の中で、ユーザーに会員番号を入力してもらい、システム側で会員情報を検索して表示する仕組みを整えることで、オペレーターの工数削減やストレス軽減、個人情報保護の強化が図られている。
導入におけるテラスカイの対応を石川氏はこう評価する。
「BEDORE、Service Cloud、LINE の連携ということで、すべてのシステムを把握し、関係ベンダーと調整しながら開発するため、要件定義や進行管理が複雑になることを懸念していましたが、テラスカイさんの幅広い知見のおかげで、開発は円滑に進みました。おかげで私自身はオペレーター向けのマニュアルや、お客様向けの告知企画などの準備にも時間を充てられました」

社内外から高い評価。将来的にはオペレーターの在宅勤務も

9月にサービスインし、徐々に利用者を増やしているLINEでのサポートだが、利用者からは、「気楽に相談できたうえ、オペレーターからかわいいスタンプが送られてきた」「解決まで時間がかからなかった」などの声が寄せられている。コンタクトセンターのオペレーターからも、「周りのオペレーターやスーパーバイザーに画面を見せて相談できるので、自分一人では解決しにくい問い合わせにも対応しやすくなった」「直に電話で話すより、ストレスが少ない」と高評価だという。
また、問い合わせ情報をService Cloudで一元化できていること、ひとつのサイトでアンケートを集約できていることにより、顧客満足度の詳細分析や、問い合わせのトレンドについても即時分析を行い、早い段階から解決に動けるようになったという。
10月以降、より多くの会員に向けてその存在を告知していく予定となっているSo-netのLINEサポート。その展望について佐野氏は次のように語った。
「クラウドを利用したシステムなので場所を選ばないという特長を活かして、ゆくゆくはチャットオペレーターのオフショア化や在宅勤務も視野に入れています。今回のシステムは、お困りのお客様に24時間対応できる体制づくりができると同時に、コンタクトセンターでの人手不足が問題になっている今、人材確保にも役立つものと言えるでしょう」

【本事例の導入製品・サービス】

OMLINE-I
LINE公式アカウントとSalesforce Service Cloudを連携し、LINE経由の問い合わせと電話やSNSなどさまざまなチャネルの問い合わせを一元的に管理できるソリューションです。

会社プロフィール

ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社様

ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社様

URL:
https://www.sonynetwork.co.jp
所在地:
東京都品川区
事業概要:
ソニーネットワークコミュニケーション ズ株式会社は、インターネットサービス プロバイダー(I S P)事業をはじめ、モバ イル事業、法人サービス事業、I oT 事業 などを展開する企業。
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