第一生命テクノクロス株式会社様
第一生命テクノクロスがSalesforceの内製化に向けCoEを設置─自社で開発・運用可能な体制を構築し、グループ全体のDXを牽引
- 金融(銀行・保険・証券)
- 500-5,000名
- CoEアドバイザリーサービス
- 内製化支援
概要
昨今、これまで「保守の裏方」という側面が強かったシステム子会社が、「DX推進の主導者」へと変貌を遂げつつある。システム子会社はグループ全体のIT戦略の中核となり、ビジネス自体を牽引する役割として一層期待されているのだ。
第一生命グループのIT戦略を担う第一生命テクノクロス株式会社も、この潮流にある。同社は、大部分を外部ベンダーに依存していた開発体制から、一層のスピード感をもってDXを推進する内製体制を確立。テラスカイとともに、Salesforce活用の最適化を担う専門組織「CoE」を確立したそのプロジェクトについて同社の責任者に話を聞いた。
外部ベンダーへの依存からの脱却をめざし、内製化を決断
第一生命グループのIT戦略を担う会社として1999年に創業し、2024年4月からは第一生命グループのDXを推進する中核子会社として事業を展開する第一生命テクノクロス。同社は、第一生命のシステム企画・開発・保守・運用で培ったスキルや経験を生かしたコンサルティング、生命保険での開発経験を生かしたシステムインテグレーション、DX人材育成を支援するさまざまなサービスを展開している。
システムの開発・運用の大部分を外部ベンダーへ委託していた同社では、3つの課題に直面していた。1つめは外部ベンダーと進捗管理などのコミュニケーションの負荷が大きくなっていたこと、2つめは自社内に開発ノウハウが蓄積されなかったこと、3つめは外部ベンダーへの委託に伴う費用負担が大きくなっていたことである。
DX企画本部 アーキテクチャ企画部 執行役員 アーキテクチャ企画部長である金子浩章氏は、こう話す。
「第一生命グループでは、DXの推進を重要な経営課題と位置づけています。そのためには、IT投資やデジタル人材の育成、内製化の推進が欠かせません。外部ベンダーへの過度な委託体制から脱却しDXを推進するために、まずは社内で活用が進むSalesforceの内製化から取り組むことになりました」(金子氏)
システムの開発・運用の大部分を外部ベンダーへ委託していた同社では、3つの課題に直面していた。1つめは外部ベンダーと進捗管理などのコミュニケーションの負荷が大きくなっていたこと、2つめは自社内に開発ノウハウが蓄積されなかったこと、3つめは外部ベンダーへの委託に伴う費用負担が大きくなっていたことである。
DX企画本部 アーキテクチャ企画部 執行役員 アーキテクチャ企画部長である金子浩章氏は、こう話す。
「第一生命グループでは、DXの推進を重要な経営課題と位置づけています。そのためには、IT投資やデジタル人材の育成、内製化の推進が欠かせません。外部ベンダーへの過度な委託体制から脱却しDXを推進するために、まずは社内で活用が進むSalesforceの内製化から取り組むことになりました」(金子氏)
第一生命テクノクロス株式会社 DX企画本部 アーキテクチャ企画部 執行役員 アーキテクチャ企画部長 金子 浩章 氏
「何もわからない状態からのスタート」となるなか、CoE体制の構築をめざす
Salesforceの内製化については、開発スピードの向上、コストの効率化、品質の向上、そしてデジタル人材の育成という、4つの柱を目標に掲げた。これらの目標を達成するには、内製化を牽引するチームとCoEが不可欠だと感じていたと金子氏は語る。
「グループのDXを推進し競争優位性を保つために、グループ全体における開発、運用を一手に担う内製化チームの組成が極めて重要だと考えました。同時に、第一生命グループ全体のSalesforce活用を推進するため、CoEの重要性にも着目しました。CoEは、ビジネス部門を含めた各部門を横断したチームとして、開発手法の標準化やガバナンス確立を主導する役割を期待していました」(金子氏)
こうした構想を描いていたものの、現実には"ゼロからのスタート"であり、当初はどのようにCoEに取り組めばよいのか手探りの状態だった。
「全社を対象にしたCoEを運営することも初めてでしたし、社内にSalesforceに詳しい人材を見つけることも難しい状況でした。そもそも保険システムはオンプレミスが基本ですから、クラウドについて知見があるエンジニアはほとんどいません。まずは、Salesforceで何ができるのか正しく把握する必要がありました」(金子氏)
そこで相談したのが、第一生命グループ企業への支援実績があるテラスカイだった。Salesforceに対して深い知見やノウハウをもっていることはもちろん、システム開発にとどまらず、システム運用やCoEの支援までを一貫して提供している点を評価したという。
「グループのDXを推進し競争優位性を保つために、グループ全体における開発、運用を一手に担う内製化チームの組成が極めて重要だと考えました。同時に、第一生命グループ全体のSalesforce活用を推進するため、CoEの重要性にも着目しました。CoEは、ビジネス部門を含めた各部門を横断したチームとして、開発手法の標準化やガバナンス確立を主導する役割を期待していました」(金子氏)
こうした構想を描いていたものの、現実には"ゼロからのスタート"であり、当初はどのようにCoEに取り組めばよいのか手探りの状態だった。
「全社を対象にしたCoEを運営することも初めてでしたし、社内にSalesforceに詳しい人材を見つけることも難しい状況でした。そもそも保険システムはオンプレミスが基本ですから、クラウドについて知見があるエンジニアはほとんどいません。まずは、Salesforceで何ができるのか正しく把握する必要がありました」(金子氏)
そこで相談したのが、第一生命グループ企業への支援実績があるテラスカイだった。Salesforceに対して深い知見やノウハウをもっていることはもちろん、システム開発にとどまらず、システム運用やCoEの支援までを一貫して提供している点を評価したという。
組織調査やマンダラチャートによって優先課題を整理し、内製化チームを組成
テラスカイとのプロジェクトは2024年10月にスタートし、まずは現状分析を行うことになった。
現状分析では、規模の大きな2つのSalesforce組織について調査が実施された。これは、第三者であるテラスカイから客観的な意見を求めることを目的としている。調査の結果、バラバラだった開発手法を統一するための「ガイドライン策定」が急務であることが浮き彫りになった。
次に取り組んだのが、内製化チームの目標設定である。ここで活用されたのが、3×3のマトリクスで目標と必要な要素を可視化する「マンダラチャート」だった。
「テラスカイから提案を受け、マンダラチャートを試してみることになりました。毎週2~3時間のミーティングを3ヶ月ほど行いましたが、実際にマトリクスを埋めていく作業は想像以上に大変でした。ただ、テラスカイの担当者と膝を詰めて検討したことで、やるべきことの明確化・優先順位づけができました。このマンダラチャートで定められた項目は、現在のCoE活動の礎となっています」(金子氏)
方針の策定とあわせて、CoEの要となる内製化チームの組成、および既存ベンダーからの引き継ぎも着々と進められた。
35名からなる内製化チームは、テラスカイ・テクノロジーズが提供するSalesforceエンジニア研修を受講した。この研修は「Salesforce 認定 Platform アドミニストレーター」の資格取得を目標とし、Salesforceに関する基礎知識やケーススタディを重視したカリキュラムが組まれていたという。
研修を経て、次なるステップとなる既存ベンダーからの引き継ぎは、机上の学習だけではなく、ハンズオン形式で実施された。引き継ぎのプロセスを通じて、内製化チームとベンダーの開発領域を精緻に切り分け、役割分担を明確に定義できたことは大きな収穫だったと金子氏は振り返る。
現状分析では、規模の大きな2つのSalesforce組織について調査が実施された。これは、第三者であるテラスカイから客観的な意見を求めることを目的としている。調査の結果、バラバラだった開発手法を統一するための「ガイドライン策定」が急務であることが浮き彫りになった。
次に取り組んだのが、内製化チームの目標設定である。ここで活用されたのが、3×3のマトリクスで目標と必要な要素を可視化する「マンダラチャート」だった。
「テラスカイから提案を受け、マンダラチャートを試してみることになりました。毎週2~3時間のミーティングを3ヶ月ほど行いましたが、実際にマトリクスを埋めていく作業は想像以上に大変でした。ただ、テラスカイの担当者と膝を詰めて検討したことで、やるべきことの明確化・優先順位づけができました。このマンダラチャートで定められた項目は、現在のCoE活動の礎となっています」(金子氏)
方針の策定とあわせて、CoEの要となる内製化チームの組成、および既存ベンダーからの引き継ぎも着々と進められた。
35名からなる内製化チームは、テラスカイ・テクノロジーズが提供するSalesforceエンジニア研修を受講した。この研修は「Salesforce 認定 Platform アドミニストレーター」の資格取得を目標とし、Salesforceに関する基礎知識やケーススタディを重視したカリキュラムが組まれていたという。
研修を経て、次なるステップとなる既存ベンダーからの引き継ぎは、机上の学習だけではなく、ハンズオン形式で実施された。引き継ぎのプロセスを通じて、内製化チームとベンダーの開発領域を精緻に切り分け、役割分担を明確に定義できたことは大きな収穫だったと金子氏は振り返る。
CoEにより確かな内製基盤を築き、「自走」する文化を醸成
一連の準備を経て、2025年4月にCoEが始動した。CoEによって、既に以下のような効果が現れ始めている。
1つめは、社員の実装力が向上したことである。ベンダーからの引き継ぎを通じて開発スキルが身につき、画面の修正、項目の追加などは内製化チームのメンバーが対応できるようになった。また、内製化チームがグループ会社のSales Cloud導入プロジェクトに参画し、ベンダーから引き継ぎを受けたうえで内製開発を行うなど、グループのDX推進にも貢献している。
2つめは、社内の育成体制の確立である。「Salesforce学習案内」といったマニュアルが整備され、Salesforce標準開発を担うアドミニストレーターレベルの知識を3ヶ月の研修で習得できる体制を整えたことで、外部研修に頼らずに継続的に開発力を向上できる仕組みを実現した。
3つめは、システム運用の安定化である。開発・運用の標準ガイドラインや組織・メンバーの成熟度チェックシートが策定され、活用されている。また、Salesforce組織のチェック体制が強化され、内製化チームのみでSalesforceのメジャーバージョンアップに問題なく対応できるようになった。
金子氏は、内製化チームの成長に確かな手応えを感じている。
「以前はユーザーからの要望に対し、ベンダーへ相談することが常態化していましたが、最近は『まずは自分たちでやってみよう』という姿勢が根付いてきました。また、グループ会社からベンダーを通さずに『Salesforceをこう活用したい』と直接相談が寄せられるようにもなりました。内製化チームのレベルが確実に上がっていることを実感しています」(金子氏)
今後は、グループの中期計画で定められた「内製化チームの拡大」「完全内製化の実現」「CoE活動の定着」に取り組んでいくという。
「今後は中期経営計画の目標に向けて歩みを加速させていくとともに、Salesforceを使ったシステムインテグレーションサービスの外販も視野に入れています。テラスカイにはわれわれを厳しく指導し、内製化の質を一段上のフェーズへと引き上げていただくことを期待しています」(金子氏)
1つめは、社員の実装力が向上したことである。ベンダーからの引き継ぎを通じて開発スキルが身につき、画面の修正、項目の追加などは内製化チームのメンバーが対応できるようになった。また、内製化チームがグループ会社のSales Cloud導入プロジェクトに参画し、ベンダーから引き継ぎを受けたうえで内製開発を行うなど、グループのDX推進にも貢献している。
2つめは、社内の育成体制の確立である。「Salesforce学習案内」といったマニュアルが整備され、Salesforce標準開発を担うアドミニストレーターレベルの知識を3ヶ月の研修で習得できる体制を整えたことで、外部研修に頼らずに継続的に開発力を向上できる仕組みを実現した。
3つめは、システム運用の安定化である。開発・運用の標準ガイドラインや組織・メンバーの成熟度チェックシートが策定され、活用されている。また、Salesforce組織のチェック体制が強化され、内製化チームのみでSalesforceのメジャーバージョンアップに問題なく対応できるようになった。
金子氏は、内製化チームの成長に確かな手応えを感じている。
「以前はユーザーからの要望に対し、ベンダーへ相談することが常態化していましたが、最近は『まずは自分たちでやってみよう』という姿勢が根付いてきました。また、グループ会社からベンダーを通さずに『Salesforceをこう活用したい』と直接相談が寄せられるようにもなりました。内製化チームのレベルが確実に上がっていることを実感しています」(金子氏)
今後は、グループの中期計画で定められた「内製化チームの拡大」「完全内製化の実現」「CoE活動の定着」に取り組んでいくという。
「今後は中期経営計画の目標に向けて歩みを加速させていくとともに、Salesforceを使ったシステムインテグレーションサービスの外販も視野に入れています。テラスカイにはわれわれを厳しく指導し、内製化の質を一段上のフェーズへと引き上げていただくことを期待しています」(金子氏)
【本事例の導入製品・サービス】
CoEアドバイザリーサービス
開発担当者、運用担当者の代表者を含めて全体最適化を図る組織横断チームであるCoEの立ち上げや運営、標準化ガイドラインの策定、最適なシステムアーキテクチャの設計などの支援を通じて、お客様のSalesforce活用を成功に導きます。
開発担当者、運用担当者の代表者を含めて全体最適化を図る組織横断チームであるCoEの立ち上げや運営、標準化ガイドラインの策定、最適なシステムアーキテクチャの設計などの支援を通じて、お客様のSalesforce活用を成功に導きます。
会社プロフィール
第一生命テクノクロス株式会社様
- 所在地:
- 東京都新宿区西新宿3-7-1
- 事業概要:
- 第一生命のシステム企画・開発・保守・運用で培った技術を基盤に、コンサルティング、システムインテグレーション、DX人材育成支援などのサービスを展開


