アセットマネジメントOne様イメージ

アセットマネジメントOne様

アセットマネジメントOneがシステムの全体最適化に向けSalesforce CoEを設置─アプリを内製開発できる体制を構築し、DXを加速

  • 金融(銀行・保険・証券)
  • 500-5,000名
  • CoEアドバイザリーサービス

概要

2016年に発足したアセットマネジメントOneは、機関投資家および個人投資家向けに幅広い投資ソリューションを提供している資産運用会社である。同社は2021年4月にDX推進グループ(2025年4月トランスフォーメーション推進部に改名)を新設し、先端技術の活用による全社的なビジネス変革を目指す取り組みを本格化させた。DXの目標は、営業や資産運用業務、経営などを高度化し、事業そのものを変革することで、顧客体験の向上、業務オペレーションの変革、組織の人材と文化の変革を進めていくことにある。同社では、Salesforce開発の知見を統合し全体最適化を図る組織横断的チームCoE(Center of Excellence)が各部門と連携し、Salesforceを活用してDXを推進している。テラスカイのCoE支援サービスによって、アセットマネジメントOneでは、社内エンジニアによるアプリ開発や、安定した運用・リリースが可能になった。

営業DXを実現するCRMおよび全社業務プラットフォームとしてSalesforceを活用

アセットマネジメントOneは、2023年12月にDX戦略のロードマップを策定した。対象領域ごとに、5年後の2028年に向け、目指すべきITと業務のあるべき姿を定義している。DXの対象領域は、営業DX、運用DX、生成AI活用、データマネジメント/データ利活用、業務プラットフォーム活用、既存ITシステム改革、DX人材育成など多岐にわたる。DX推進の要の1つとなるのがSalesforceであり、主に営業DXと全社業務プラットフォーム活用、DX人材育成で活用されている。アセットマネジメントOneのトランスフォーメーション推進部 マネジャーである岩崎祥也氏は、Salesforceの導入・活用について次のように語る。

アセットマネジメントOne株式会社 DX・プロセスイノベーション本部 トランスフォーメーション推進部 マネジャー 岩崎祥也氏

アセットマネジメントOne株式会社 DX・プロセスイノベーション本部 トランスフォーメーション推進部 マネジャー 岩崎祥也氏

「機関投資家のお客様情報や当社が取り扱う投資信託に関するデータを管理するために、2022年にSalesforceを導入しました。また、ローコードでアプリケーション構築が可能であることを評価し、業務アプリ開発のプラットフォームとしても活用しています」

また、トランスフォーメーション推進部の水本郁己氏はSalesforceを業務アプリのプラットフォームとして活用する利点について次のように話す。

「これまでの開発ツールではユーザーが本当に必要としていたシステムを作ることが難しく、リリース後も改善できないという課題がありました。しかしSalesforceでは、業務部門が自らシステムをスピーディーに開発・改修することが可能で、全社業務変革の基盤として利用できると考えました。さらに、SaaS製品との連携も容易で、既存のクラウドストレージやBIツールを組み合わせて幅広く活用できる点もメリットでした」(水本氏)

Salesforceを活用するうえでCoEの必要性を認識

全社業務プラットフォームとしてSalesforceの活用が進められたが、開発や運用の観点から課題があった。

まず、全社でSalesforceを本格的に活用するには、業務に合わせたカスタマイズや機能追加のために基本機能を使用するだけでなく高度な開発も必要となる。ユーザーが必要としていたシステムに臨機応変に開発・改修するためには、高度な開発ができる人材の育成が急務であった。

さらに、複数のアプリをSalesforce上で運用しているため、組織改編や年3回のSalesforceのバージョンアップなどがあった際の影響調査に時間を要し、エラーや不具合が生じるリスクが高まっていた。全社的にデータを共有・活用するためには、全体最適なアーキテクチャを検討する必要があり、Salesforceに精通したプロフェッショナルの知見が求められた。

そうした包括的なサポートを求め、パートナーとしてテラスカイを選定したと岩崎氏は語る。

「テラスカイは、Salesforceを中心としたクラウドサービスに強みを持っていることに加え、CoEの支援でも実績がありました。従来のベンダーの域に留まらず、CoEとして当社のビジネス課題を解決するソリューションをともに議論、推進するパートナーとなっていただけることを期待しました」(岩崎氏)

2022年11月にテラスカイのCoE支援サービスがスタート。支援内容は、主にガイドラインやチェックリストの策定といった各種開発の標準・共通化、業務部門の社内エンジニア育成を含む内製で開発できる体制の構築支援である。また、運用保守の効率化や堅確化もCoE支援サービスに含まれている。

トランスフォーメーション推進部は、CoEとして社内各部署のSalesforceのシチズンエンジニアやDX推進担当者と連携しつつ、現場の業務を高度化できるように、各種導入システムが全社で最適に活用されるよう支援している。

内製でアプリの開発・改修ができる体制を構築

CoE支援サービスの取り組みの中で、レクチャーやトレーニングを通じて、各部門の社内エンジニアがアプリを構築できるようになった。

アセットマネジメントOne株式会社  DX・プロセスイノベーション本部 トランスフォーメーション推進部 アシスタントマネジャー 水本郁己氏

アセットマネジメントOne株式会社  DX・プロセスイノベーション本部 トランスフォーメーション推進部 アシスタントマネジャー 水本郁己氏

「テラスカイが開発画面を見せながら説明したり、資料を通じて開発手法を共有したことで、Salesforceに関する知識や技術を身につけることができました。複数の社内エンジニアが項目の追加・権限の変更などはもちろんのこと、業務を自動化する『フロー』の開発までできるようになっています。また、認定資格の取得にも積極的に取り組んでおり、すでにSalesforce認定上級アドミニストレーターなど認定資格者は4名に達しています」(水本氏)

アプリの利用者から「こんな機能がほしい」という要望が出た際にも、社内エンジニアがSalesforceで実現可能かどうか判断し、全社最適なソリューションをテラスカイ含むCoEメンバーで協議し対応しているという。

このようにSalesforceについての知見を高めた社内エンジニアが、間接部門で使用される5種類の業務アプリを開発し、業務効率化につながっている。中でも、契約管理用ワークフローのアプリは、年間あたり推定2,300時間の業務削減を実現している。

ガイドラインの策定などにより開発や運用業務の標準化・効率化を推進

開発やリリースを頻繁に行っても問題が生じないようにするため、開発や運用に関する業務の標準化や効率化にも取り組んでいる。

ガイドラインやチェックリストを策定したことにより、組織のルールに基づいた開発が進められることになった。

「Salesforceでは、設定した項目などに名前をつける必要があるのですが、以前は命名ルールが決められていませんでした。そのため、業務要件に変更が生じ改修が必要になった際の影響調査に時間を要しておりました。現在は、命名ルールに則って名前がつけられ、業務要件の変更だけでなく、大規模な組織改編があった際にも迅速に影響調査や改修ができるようになりました」(水本氏)

また、リリースにおいては「事前に申請されたものをCoE内の開発・保守メンバーがチェックし、リリースしてもよいかどうか調査・判断したうえでリリースする」というルールが定められ、重複リリースやエラーの回避につながっている。先を見越して早めにガイドラインやルールの整備を進めてくれて本当によかったと、岩崎氏は感謝を口にする。

運用保守の面でも、安全性が高まっている。CoEの役割としてSalesforceの全体像を理解したうえで影響箇所を洗い出し的確なアドバイスを行っているため、組織改編やSalesforceのバージョンアップなどが生じた際にも大きな問題は発生せず、Salesforceの安全な運用につながっているという。

テラスカイのCoE支援サービスについて、水本氏は改めて振り返る。

「テラスカイは、全体最適を考えたオブジェクト構成や標準機能の活用提案、デグレリスクを最小限に抑えたリリーススケジュールの調整・共有など、Salesforceに関する卓越した専門性を有しており、とても頼りにしています。週2~3回のミーティングで、各種開発・運用に関する相談や、開発方針レビューや開発物レビューなどの情報共有を行っています。CoE全メンバーで先を見越した全社最適の設計に向け活発な議論がされており、疑問や問題が生じた際には他社事例や想定リスク等を丁寧にご説明いただきました。技術力だけでなく、当社の課題解決のために当事者意識を持ったアドバイスをいただけて、大変感謝しています」(水本氏)

Salesforce Data CloudやAgentforceの活用も視野に入れ、今後もDXを推進

今後については、大きく3つの取り組みを進める予定だ。1つ目は、既存アプリの利便性向上。2つ目は、顧客へのパーソナライズされたコンテンツ提供拡大。3つ目は、Salesforce開発スキルを持つ人材育成を進めることだ。

岩崎氏は、テラスカイとのCoE運営について期待を込めて次のように語る。

「当社のような1,000名規模の組織の場合、CoEがなければ各部署が個別最適に動いてしまいます。全体を管理し最適化するためには、テラスカイという強力なパートナーによるCoEの運営が不可欠です。今後もテラスカイとともに当社のDXを推進しステップアップしていければと思います。また、これからはSalesforce Data CloudやAgentforceをはじめ、Salesforceの新たな機能を活用していきたいと考えていますので、引き続きご支援やアドバイスを期待しています」(岩崎氏)
(左から)アセットマネジメントOne株式会社 DX・プロセスイノベーション本部トランスフォーメーション推進部 アシスタントマネジャー 水本郁己氏、 同マネジャー 岩崎祥也氏

(左から)アセットマネジメントOne株式会社 DX・プロセスイノベーション本部トランスフォーメーション推進部 アシスタントマネジャー 水本郁己氏、 同マネジャー 岩崎祥也氏

【本事例の導入製品・サービス】

CoEアドバイザリーサービス
開発担当者、運用担当者の代表者を含めて全体最適化を図る組織横断チームであるCoEの立ち上げや運営、標準化ガイドラインの策定、最適なシステムアーキテクチャの設計などの支援を通じて、お客様のSalesforce活用を成功に導きます。

会社プロフィール

アセットマネジメントOne株式会社様

アセットマネジメントOne株式会社様

URL:
https://www.am-one.co.jp/
所在地:
東京都千代田区丸の内1-8-2 鉃鋼ビルディング
事業概要:
「投資の力で未来をはぐくむ」を企業理念に掲げ、2016年に発足。個人・機関投資家から資産を預かり、効率的かつ堅確に運用して、顧客の資産形成を支援している。
am-one_iwasaki.jpg
am-one_mizumoto.jpg
導入した製品・サービス

お問い合わせ

導入相談専用ダイヤル

050-3198-9009受付時間 平日9:30-18:00

導入をご検討中のお客様

テラスカイ製品のご購入をご検討中の方や、テラスカイへのお問い合わせは、こちらからお寄せください。

お問い合わせ

製品をご契約中のお客様

テラスカイ製品をご利用のお客様の技術的なお問い合わせは、こちらからお寄せください。

技術的なお問い合わせ

トップへ戻る