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トヨタが販売会社の 営業活動支援システムを刷新! 顧客アプローチの迅速化を実現した データ連携基盤に迫る

導入背景

IT技術の進化により、ビジネス環境は大きく変化している。情報をデジタル化し、IT技術を活用して業務やビジネスモデルまでをも変革したうえで、成長を加速させる「デジタルトランスフォーメーション(DX)」は、すべての企業にとって最優先課題である。
日本を代表する企業のトヨタ自動車(以下、トヨタ)も例外ではない。同社は来たるモビリティ社会に向けた『お客様との絆づくり』と『販売店の働き方変革』の実現に向け、「次期営業活動支援システム(呼称)」を構築した。元々あったオンプレ基幹システムとクラウド型CRM(顧客管理システム)の「Salesforce」を連携させ、顧客情報を一元化する。クラウドが持つ拡張性や俊敏性といった特徴を最大限に活用し、オンプレミス/クラウドの区別なくデータを利用することで、販売会社の営業活動効率化を図るのがねらいだ。では、その「次期営業活動支援システム」とはどのようなものなのか。具体的な仕組みや、データ連携による効果を紹介したい。

画一化した販売支援システムの限界

トヨタの販売会社は日本全国に約280社、店舗の総数は約5600店舗に上る。これまでは、すべての販売会社で共通の営業支援システムを利用していた。しかし、これでは各社固有の要件に対応出来ず、販売店各社固有の独立システム開発を誘発していた。
トヨタでコーポレートIT部 販売マーケティングシステム室グループ長を務める小澤武志氏は、「各販売会社からは『タブレットを使ってお客様に製品やサービスを提案したい』『LINEなどのSNS(Social Network Service)でお客様とコミュニケーションしたい』という要望が上がっていました。しかし、以前のシステム基盤では、こうした柔軟性のある施策は困難だったのです」と説明する。
「営業支援システムはオンプレミスで構築していたため、どうしてもモノリシック(一枚岩)なアーキテクチャになってしまっていた」と、小澤氏は説明する。そのため、簡単な操作変更や機能追加などは、各販売会社の営業スタッフが独自に構築している状態だった。
さらにスピード面でも課題を抱えていた。例えば基幹システム側で設定や構成を変更したり機能を追加したりするには、決裁に至るまでの時間も要する。トヨタでコーポレートIT部 販売マーケティングシステム室 室長を務める度会裕志氏は、こうした課題解決案として、以下のように考えていたという。
「実現したかったのは、トヨタの強みを生かしつつ、世の中にある汎用的なベストプラクティスを活用した省力、かつ小さな営業支援システム基盤でした。加えて、クラウドにデータ連携基盤を構築し、トヨタの基幹システム側に格納されている正データとSalesforceの顧客データを連携させるのが最適だと考えました」(度会氏)
全国280の販売会社は、地域やお客様の特性に合わせた営業活動を行っている。当然、その営業スタイルも規模もさまざまだ。そのため、営業支援のフローやKPI(重要業績評価指標)をトヨタ側で統一してしまえば、販売会社にとって「足かせ」になってしまう。
度会氏は、「『どのような営業ツールでアプローチし』『どのようなスタイルで営業活動を上長に報告し』『どのような情報を上長がチェックするか』といった"フロントの部分"は、各販売会社の裁量で変更できたほうが、営業効率が向上することは明白でした」と、当時を振り返る。

「DataSpider Cloud」に白羽の矢が立った理由

トヨタ自動車株式会社 コーポレートIT部 販売マーケティングシステム室 室長 度会 裕志 氏の写真

トヨタ自動車株式会社
コーポレートIT部 販売マーケティングシステム室 室長
度会 裕志 氏

次期営業活動支援システム基盤の構築にあたり、トヨタがテクニカルパートナーとして選んだのがテラスカイである。その理由について小澤氏は、「テラスカイはSalesforceに精通し、クラウドのデータ連携実績が多く、構築のノウハウも豊富です。AWSについては、グループ会社のBeeXが、その専門性スキルを発揮してくれました。インテグレータさんにはこちらがお願いしたシステムだけを構築するのではなく、実装のアドバイスや運用のコンサルティングまでをお願いしたかった。現在、次期営業活動支援システムの運用と展開が進んでいますが、その選択は正しかったと実感しています」と語る。

テラスカイはトヨタの基幹システムと各販売会社の次期営業活動支援システムをつなぐデータ連携基盤に、テラスカイが開発/運用を手掛けるクラウド型データ連携サービスの「DataSpiderCloud(データスパイダー・クラウド)」を提案した。クラウド上で基幹システムにあるデータと、Salesforce側の次期営業活動支援システムのデータをニアリアル(即時)で連携させる戦略である。そのデータ連携基盤の仕組みはこうだ。

まず、中間データベースや外部参照データベースといった各種データベースを、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)上に構築する。そして、トヨタの基幹システムとSalesforce次期営業活動支援システム、さらにAWSに格納した各種データベースを、DataSpiderCloudで連携する。つまり、基幹システムの中にある連携データをすべてAWS上にアップロードし、そのデータ(ファイル)に対してデータ連携処理を実施する仕組みである。

連携基盤の"横"にAWSのデータベースを配置すれば、AWSが提供する各種サービスも利用できる。さらに、基幹システムのデータに対して直接アクセスする必要がなくなるので、セキュリティ上の懸念も払拭できるというわけだ。なお、データ差分の確認頻度は15秒おきだという。

この仕組みは販売会社ごとに――つまり280基盤――構築した。その際にも工夫を施している。次期営業活動支援システムとAWS/AWSと基幹システムを連携させるDataSpiderCloudの設定は、可能なかぎり自動化した。具体的には、あらかじめ設定が自動生成される仕組み構築し、各販社への展開を簡素化したのである。

データ連携基盤の図

度会氏は販売会社ごとに基盤を構築した理由について、「販売会社の規模によって保有するデータ量もトランザクションも異なります。ですから管理機能は共通でも、システム(基盤)ごとにDataSpiderCloudと連携する仕組みが必要でした。さらに短期間で280の販売会社に展開できるよう、テラスカイさんに工夫をしてもらったのです」と説明する。

クラウド上での運用で気になるのが各種の管理だ。各販売会社は休日がそれぞれ異なるため、次期営業活動支援システムは24時間365日の稼働が必須となる。また、ユーザーのログイン管理やセッション管理なども、すべての販売会社に対して実施しなければならない。管理運用に関する部分は、テラスカイグループのクラウドMSP専門会社である「スカイ365」が担っているとのことだ。

最新の数字で意思決定、データドリブンな営業アプローチが可能に

トヨタ自動車株式会社 コーポレートIT部 販売マーケティングシステム室 グループ長 小澤 武志 氏の写真

トヨタ自動車株式会社
コーポレートIT部 販売マーケティングシステム室 グループ長
小澤 武志 氏

トヨタでは、2018年7月から7店の販売会社で次期営業活動支援システムのトライアル運用をスタートした。2019年6月末現在では約20社の販売会社が運用中で、2020年4月までには280すべての販売会社に展開する計画である。現時点で利用している販売会社からの評判は上々だという。

「(基幹システムのデータと次期営業活動支援システム間で)データ連携がほぼニアリアルでやり取りできる環境の実現で、営業のアプローチが迅速になる事はもちろん、(販売会社が)最新の数字で意思決定できるようになると報告をいただきました。また、販売会社ごとに"フロントの部分"を変更できる点も好評です」(度会氏)

以前は、基幹システムのデータとSalesforceのデータとの連携には一晩かかっていたことも多かったという。大規模な販売会社がデータを更新している間は、他の販売会社のトラフィックが低下するなどの課題もあった。小澤氏は「以前のシステムではデータ連携に時間がかかるうえ、基幹システムのデータの整合性が崩れることもありました。しかし、現在のデータ連携基盤であれば、そのような心配はありません」と説明する。

「いくら最新システムを導入したとしてもITインフラが足かせになって、販売会社のビジネスを停滞させるようなことがあってはならない。(販売会社の)営業スタッフが、武器となるシステムを特別な意識をしないで営業活動に専念できること。ビジネスとして付加価値の高い部分に注力できる環境を構築すること。これがコーポレートIT部のミッションだと考えています」(度会氏)

会社プロフィール

トヨタ自動車株式会社様

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URL:
https://global.toyota/jp/
所在地:
愛知県豊田市トヨタ町1番地
事業概要:
自動車の生産・販売 等
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