セールスフォースのサービス機能(Service Cloud)の進化は凄い! -第一回目- ~進化の歴史編~

はじめに

セールスフォースの機能はカスタマーサービスに限らずその進化はもの凄いのですが、筆者自身、最近Service Cloud関連の機能に触れる機会も多くなってきており且つ自分もより理解を深めていきたい領域のため、今後何回かのシリーズとしてお届けしたいと考えています(勝手に自分でシリーズにしていますが・・・)。

初期の頃は・・・

筆者が最初にセールスフォース及びサービス機能に触れたのは2001年の8月だったと思いますので、セールスフォースがまだ出たての頃でした。その時、Sales Force Automation(営業管理機能)から出発したセールスフォースも既にCRMとして"サポート機能"を持っていました。この時はまだ単に"サポート機能"と呼んでいたように思います。実際当時はケース(問合せ管理)とソリューション(FAQ)だけの機能でテキストベースでデータを登録・編集・参照する形でリッチテキストもイメージも扱えませんでしたので必要に応じて添付ファイルとして扱うかURLリンクを貼り付けたり工夫をしていました(今でももちろんできますね)。但しこの頃から既にWEB to ケースで取り込まれた顧客からの問い合わせを予め設定しておいた割当てルールに従い担当のサポートチームのキューもしくは担当のユーザに割当てさらにEメールで割当てた状況を通知する機能、一定期間状況変更がない問合せに対して予め設定した担当部マネージャー等宛てにエスカレーション通知を行う基本的ではありますが便利な機能もありました。また件名と内容だけの簡単なFAQでしたがFAQ検索して該当の対応内容があれば関連ケースに紐付け保存しさらに顧客にメールテンプレート経由でEメール回答を作成し送付する機能もありましたので小規模なコールセンターであれば充分対応できる機能であっと思います。

その後の変遷

それからの機能の進化はセールスフォースのバージョンアップと共になされてきましたが、名前も単なるサポートからコールセンター機能、カスタマーサポート機能等々、Service Cloudまで変わってきました。皆さんの多くがご存知の通りです。(注:ここでの記述は筆者の記憶だけに頼っていますので名称、機能、時系列的に不足している、前後している等もあると思いますのでご了承下さい)

個々の機能としても下記のようなものが次々に追加されてきました。

CTI連携機能

ジェネシス、Avaya等との連携から始まり、今や各種ソフトフォン/Cloud CTIシステムとの連携

セルフサービスサポート

顧客に外向けのサイトを通してケース登録・参照、ソリューション検索の機能提供(今のCustomer Communityのはしりですね)

Eメール to ケース

顧客のEメール問合せを自動的にケースに取込み作成する。

サービス契約・エンタイトルメント

顧客のサービス契約とサービスレベル・条件を登録しそれに合わせたサポートレベル(時間、体制、エスカレーション等の適用)に対応する。

Visual Workflow

サポートエージェントのトークスクリプト対応、顧客の質問への画面フロー/プロセス対応を行う。

ナレッジ

FAQや知識ベースの進化版、社内・社外双方のチャネルに対応。問合せキーワードからの記事のサジェスチョン、参照結果の評価機能を提供する。

Service Cloud Console

サポートエージェントの生産性を高めるため1画面で複数機能・データを処理できるようにする。取引先/取引先責任者、ケース、ナレッジ等を1画面で扱える。

Customer Community

会員・メンバー顧客へのコミュニティサイト提供(外部向けだがコミュニケーション結果、データは社内のサポート担当ユーザと共有、セキィリティ・アクセス権限に応じてデータ・項目を見せる見せないも適切に制限)。

Live Chat

内部的にはService Cloud Consoleから統合的なサポート機能として提供。顧客がWEBサイト訪問時にChat問合せが可能。

因みにですがセールスフォースのUSのHPでうろうろしていると自動的にLive Chat画面がポップアップで出てきます。さすがですが当然といえば当然ですね。

モバイル対応、ソーシャル対応、フィールドサービス対応等々

まだまだ挙げればでてきそうですがここまでにします。

最新状況と今後への期待

いまやService Cloudの最新機能は、UIがLightning Experience化され、マルチチャネルのサポートに対応し、様々なニーズに応じたサポート形態に適応しています。電話、メール、WEBの枠をはるかに飛び越えインターネット、デバイス、周辺技術の進歩によりLive Chatを用いたサポートエージェントによるカスタマーサポート、さらには顧客が実際にトラブルを抱えている画面や状況をスマホ経由で簡単にリアルタイムに共有して距離や時間の差すら感じさせないSOS(2016年6月15日現在ベータ版)によるサポートも可能になってきています。恐らく近い将来AI機能を搭載したサポートエージェント機能なども出てくるのでは?と期待してしまいます。このシリーズの次回もしくは次々回で実際に最新機能の設定/開発内容についてもご紹介したいと思いますのでこちらも是非ご期待下さい。