三井住友海上火災保険株式会社様
データで解く、顧客との「ちょうどいい距離感」と信頼の築き方。三井住友海上火災保険×テラスカイが深化させる、LTV重視のデジタルマーケティング戦略
- Account Engagement/Marketing Cloud
- 金融(銀行・保険・証券)
- 5,000名以上
- デジタルマーケティング
概要
同社が目指すのは、AIとデータを活用し、保険の手続きを徹底的に簡略化した「エフォートレス」な世界だ。本記事では、「TerraSkyDay 2025」の注目セッションをさらに深掘り。登壇した三井住友海上の野崎氏を迎え、LTV(顧客生涯価値)向上を実現する戦略や、変革の指針となる「カスタマージャーニー」の重要性について、テラスカイの東氏・鈴木氏が詳しく迫った。
(左)
テラスカイ クラウドインテグレーション営業本部 金融&公共営業部 マネージャー 東 麻里氏
金融機関や公共団体向けにSalesforceの導入・活用を支援するアカウントチームを統括。
Salesforceを活用したクラウドインテグレーションにとどまらず、導入に向けたコンサルティング活動や導入後の運用に関する支援活動までをサポートしている。
(中央)
三井住友海上火災保険 ビジネスデザイン部 CRM 統括 野崎 勝弘氏
ハウスメーカーや教育事業、コマースなどの業界でマーケティング部門のマネージャー職を歴任し、2022年に三井住友海上火災保険に入社。入社直後から、同社が注力しはじめたお客さま体験価値(CX)の向上とその推進役となるCRMチームに所属し、マネージャーとして顧客ロイヤルティの向上やLTV向上に貢献し続けている。
(右)
テラスカイ ソーシング&コンサルティング本部 データマーケティング部 部長 鈴木 重行氏
顧客のデータやAIを活用したマーケティングの取り組みを包括的に支援。Salesforce Data Cloudの有資格エンジニアが所属する組織横断の専門組織 「Salesforce Data Cloud+AIラボ」の創設にも携わり、CDPとMAを連携したデータマーケティング施策やAI施策の展開をサポートしている。
デジタルマーケティングの転換点とLTV重視の施策

野崎氏:きっかけは、デジタルが持つポテンシャルや有効性を活かし切れていないという課題感です。当時はメルマガの登録者向けに損害保険の豆知識的なコンテンツを月1回配信することにとどまっていました。 しかし、Salesforceという強力なツールを使いながら、マスマーケティングのような一斉配信しかしないのはもったいない。そこでお客様一人ひとりに向けた「One to One配信」へ舵を切りました。目指したのは、単なる情報提供ではなく、継続率を高めながら適切なお客様とのコミュニケーションを進め、それによってLTV(顧客生涯価値)を向上させること。実際にさまざまな取り組みを進める中で、継続率やLTV向上の効果を確信しています。
野崎氏:保険は各社の「色」が見えにくいからこそ、サービス利用時の「心地よさ」やお客さま体験価値(CX)の向上を重視しています。 顧客インサイトを把握する取り組みの例として、さまざまな粒度で「カスタマージャーニーマップ」のワークショップを実施しています。部署横断で定期的に開催し、顧客インサイトの抽出と仮説立案を行う。損害保険は事故などがなければ顧客との接点が希薄になりがちなので、ワークショップを通じて「平常時にいかに有益な情報をお客さまへ届け、質の高い顧客接点をつくるか」を徹底的に議論しています。
鈴木氏:具体的にMCではどのような施策の運用をされているのでしょうか。
野崎氏:現在、約20種類のMA(マーケティングオートメーション)シナリオを運用しています。お客様個々の契約状況やライフサイクルに合わせ、最適なタイミングで必要な情報をOne to Oneで届ける仕組みを構築しました。
顧客との「ちょうどいい」距離感を探る3つの施策
野崎氏:展望は大きく3つあります。 1つめは、「お客さまにとってちょうどいい」コミュニケーションチャネルの構築です。セグメントを「デジタルかアナログか」「ご自身で意思決定したいか誰かに頼りたいか」といった軸で分けたとき、デジタルでご自身で完結されたい方に紙で「ご相談ください」という案内を送ってもニーズに合いません。CDPのデータを用いて、SNSやチャットなど、お客様に最適な窓口を整えます。
2つめは、ロイヤル顧客の再定義です。ロイヤル顧客でなければ、当社からの情報提供、さらにはアップセル、クロスセル施策に振り向いてくれません。単なる契約数ではなく、当社のブランドにどれだけ愛着と信頼を寄せてくださっているかという本質的な視点から定義し直そうとしています。
3つめは、AI活用による施策プロセスの高速化です。例えば商品アイデアの「受容性調査」。これまで何日かかけていたモック制作を、AI活用により数十分で完結させ、PDCAを高速で回していき、より質の高い顧客接点を作ることを期待しています。
東氏:「お客様が思わず『おっ!』と漏らしてしまう体験」の重要性も指摘されています。その実現に向け、どうデータを活用されますか。

鈴木氏:CDP活用の現状課題はどこにありますか。
データ×マーケティングコンサルへの期待

顧客体験の「北極星」を描く
野崎氏:お客さまにとって不必要な手間を省く「エフォートレス」な損害保険を目指し、あるべきカスタマージャーニーという「北極星」を確立したい。 海外では、事故から保険金が支払われるまで「数秒」という記録も出てきています。今後はドラレコ等を通じて事故状況を瞬時に共有し、より迅速な判断と解決ができる世界になっていく事が想定されます。AIも、社内制作プロセスだけでなく、お客さまの事故時に膨大な過去判例から参考となる判定結果を導出したり、それらをもっと迅速に進めたり、と当社の業務効率化だけでなくお客さまにとって快適な体験を提供するために利用するべきと考えています。
今後は、カスタマージャーニーのようなマーケティングと、AIに代表されるようなDXを組み合わせ、よりよい顧客体験の未来を作っていきたいと思います。
鈴木氏:テラスカイでも、今春からさらに支援の幅を広げる「AI×マーケティングサービス」を開始予定です。今後も三井住友海上様の挑戦を伴走支援してまいります。
【本事例の導入製品・サービス】
戦略策定・施策展開のPDCAからシステム開発・運用に至るまで、テラスカイグループ全体のソリューションをワンストップで提案し、事業の拡大を支援します。
会社プロフィール
三井住友海上火災保険株式会社様
- 所在地:
- 東京都千代田区神田駿河台3-9
- 事業概要:
- 損害保険業、他の保険会社の保険業に係る業務の代理または事務の代行、債務の保証、確定拠出年金の運営管理業務、自動車損害賠償保障事業委託業務


