BLADE

汎用AIによるSalesforce開発の落とし穴

近年、AIを活用したコーディングの自動化や量産が進んだ結果、システム開発において短納期・低コスト化を重視する傾向が強まっています。一般的なWeb開発などでは有効なアプローチですが、Salesforce開発において単純なスピード・量産重視の手法をそのまま持ち込むと、重大なリスクが生じます。

なぜなら、Salesforceの構築においては、データモデルの構造とビジネスプロセスの文脈を正しく理解することが不可欠だからです。プラットフォームの特性を無視してAIにコードや設定を量産させると、将来的に解消困難な技術的負債を抱え込む要因になりかねません。
具体的には、以下の3つのリスクが挙げられます。

①ブラックボックス化と要件の乖離
(Loss of Context)

ブラックボックス化と要件の乖離(Loss of Context)

AIがビジネス上の意図を理解せずに実装を進めると、「なぜその機能が必要だったのか」という背景が抜け落ちます。仕様書通りに動作しても、現場の業務要件に適合せず、実用に耐えないシステムとなり、開発後の修正や影響調査が困難なブラックボックスとなる恐れがあります。

②アーキテクチャの崩壊
(Architecture Collapse)

アーキテクチャの崩壊(Architecture Collapse)

汎用AIは実装の最短ルートとして、独自のApexコードやカスタムオブジェクトを多用する傾向があります。Salesforceの基本である「Fit to Standard」の原則から外れ、標準機能で実現できる要件まで過剰なカスタム開発が行われるため、保守性や将来のバージョンアップへの追従性が著しく低下する恐れがあります。

③プラットフォーム制限の無視
(Platform Violation)

プラットフォーム制限の無視(Platform Violation)

AIはガバナ制限をはじめとするSalesforce特有のプラットフォーム制限を自動的には考慮しません。開発環境の少量のデータでは正常に動作する処理でも、本番環境でデータボリュームが増加した際にトランザクション制限に抵触し、重大なシステムエラーを引き起こす恐れがあります。

AI駆動開発モデル「BLADE」とは

テラスカイ独自の知見とAIで実現する、新世代の開発モデル

AI駆動開発モデル「BLADE」

BLADEは、テラスカイが長年培ってきたSalesforceに関する豊富な知見と、先進のAI技術を融合させた新たな開発モデルです。

BLADEの思想は、「人が正しい仕様を定義し、AIを実行エンジンとして活用する」ことです。
AIにコード生成を丸投げするのではなく、テラスカイ独自のノウハウをプロンプトとして体系化した「プロンプト・ライブラリ」に基づいてAIを活用することで、Salesforceに適した設計・実装を可能にします。さらにこの手法を開発の全工程に適用することで、再現性を持つ高品質なシステム構築を実現します。

高品質なSalesforce開発を実現する3つのアプローチ

AIを実行エンジンとして有効に機能させるためには、開発のあらゆる工程でAIを適切に制御する仕組みが必要です。
BLADEでは、以下の3つのアプローチを具体的な開発プロセスに落とし込んでいます。

ビジネス目的からの逆算設計

BLADEでは、ビジネス目的(ゴール)を明確に定義した上で、目的達成のための機能を定義します。要件定義の段階でユーザーストーリーに基づく受入条件(テストケース)をお客様と合意し、それを基にAIが実装を行う開発プロセスを採用しています。

プログラムを書く前に「完成の定義」を明確にすることで、現場の業務との認識の齟齬を未然に回避し、実装フェーズにおける手戻りを防ぎ、高品質なシステムを構築します。

ビジネス目的からの逆算設計

プロンプト・ライブラリ

テラスカイが長年培ってきたSalesforceの導入ノウハウやベストプラクティスをプロンプトとして体系化し、プロジェクトの全工程に適用しています。これにより、標準機能を優先して採用する「Fit to Standard」の判断や、ガバナ制限などの特有のプラットフォーム制限を考慮したコード生成をAIに促します。

汎用AI開発で発生しやすい過剰な個別開発やトランザクションエラーを抑止し、将来のバージョンアップにも追従しやすい、保守性の高いシステムを構築します。

完全なトレーサビリティ

要件定義で定めたビジネス目的(ユーザーストーリー)と、設計・実装される機能、そしてテストケースがシステム上で一貫して紐づく構造を構築し、常時管理します。
すべての項目やプログラムについて、その背景にあるビジネス要件まで遡って確認できるため、システムのブラックボックス化を防ぎます。

この仕組みにより、運用中のトラブル対応や将来の機能改修時の影響調査を、影響範囲を正確に把握しながら安全に行うことが可能になります。

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